すっぽんにも種類がある!それぞれの特徴とは?

日本ですっぽんと呼ばれているのはキョクトウスッポンという種類です。すっぽんは日本全国、そして中国やアメリカ、東南アジア、ロシアの一部にも生息しています。
ここではすっぽんの種類について、いくつかご紹介しましょう。

世界中で多くの種類が確認されているすっぽん

すっぽんは爬虫類でカメの一種です。日本ですっぽんといえば高級食材や精力剤としてのイメージが強いのですが、世界中で約25~30種類がさまざまな形で生息しています。

キョクトウスッポン

すっぽんは一見すると普通のカメに似ています。しかしよく観察すると、カメに比べ、とても長い首と細長く伸びた鼻先を持ち、甲羅が平べったく軟らかいことに気がつきます。日本に生息しているすっぽんはキョクトウスッポンで、シナスッポンやニホンスッポンとも呼ばれる種類です。

すっぽんは北海道以外の日本全国に生息していますが、元々は本州の南部、四国、九州に在来種が生息していたとされています。全国に分布するようになったのは、養殖のすっぽんが逃げ出し野生化したからではと考えられています。また中国など、海外から何らかの形で持ち込まれ、在来種と混ざり繁殖した可能性もあり、在来種と外来種の区別がつきにくくなっています。

現在では天然のすっぽんの生息数は少なく、食用のほとんどが養殖のすっぽんでまかなわれています。

すっぽんの甲長は27~40cmで、肉食に偏る雑食であり、昼間に行動する昼行性です。性格は臆病で、水底の泥や砂に潜ったり岩陰に隠れたりします。甲羅が軟らかいため、石と石の隙間も簡単に行き来することができます。

夜に餌を食べることが多いのも臆病な性格が影響しているようです。6月から7月頃に、直径1.5~3cm位の卵を産みます。体に触れようとすると噛みついて外敵から身を守ろうとします。噛まれた場合は引っ張らずに水に浸けると離れます。

マルスッポン

大型のスッポンで成長すると甲長が130cmにもなります。中国、東南アジアに分布し、ほとんどが大きな河川に生息しています。水底の砂の中に隠れ、魚や甲殻類を捕食します。食用に利用され、乱獲により生息数は激減しています。

トゲスッポン

トゲスッポンはアメリカスッポン属に分類されます。アメリカ合衆国とメキシコに生息しています。甲長が13~54cmで、メスのほうが大きくなります。甲羅の縁にトゲ状の突起があることからトゲスッポンと呼ばれ、河川や沼に生息しています。ペット用に日本に輸入されています。

スベスッポン

スベスッポンもトゲスッポン同様、アメリカスッポン属に分類されます。アメリカ合衆国のミシシッピ川水系に分布しています。甲長が最大でも35cmと小さめです。肉食に傾倒しますが雑食で、昆虫などを捕食します。

フロリダスッポン

アメリカ、フロリダ半島を中心に生息するフロリダスッポンは最大甲長60cmで、アメリカスッポン属の中では最も大型です。ペット用として日本にも輸入されています。貝類、昆虫、甲殻類、魚類などの肉食を好む雑食です。

タイコガシラスッポン

タイ王国西部やインドネシアのジャワ島に生息しています。最大で甲長が140cmになる大型のスッポンです。澄んだ水の河川に住み、産卵以外で水から出ることはありません。環境破壊や乱獲により生息数は減っています。

インドシナオオスッポン

インドシナ半島に生息するインドシナオオスッポンは甲長が最大約70cmになります。甲羅は丸く、色は灰色がかった緑褐色で、黒い小さな斑点があります。河川や池に住み、日光浴のために上陸します。食用に捕獲され続けた結果、個体数が減り、ワシントン条約で国際的な商取引に制限がかけられている種類です。

食用、ペットとして取り扱われるすっぽん

すっぽんは色々な種類がありますが、それぞれ生息している地域では、やはり食用として利用されていることが多いようです。どの地域でも乱獲や環境汚染で個体数が減少傾向にあります。

食用以外ではペットとして飼育されることが多く、日本では外来種も輸入され、ペットショップなどで販売されています。

日本では生息数は減ったとはいえ、時折、川や池で見かけることができます。また水族館でもすっぽんを見ることができるので、興味のある方は是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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