すっぽんの皮膚病を防ごう

一般にすっぽんは食用として親しまれていますが、ペットとしても飼育されています。すっぽんはカメの一種であり、環境が良いと長生きする生物ですが、その一方で皮膚病にかかりやすいのも事実です。ここではすっぽんの皮膚病の原因と対策について説明します。

すっぽんはムコール病という皮膚病にかかりやすい

すっぽんは皮膚病にかかりやすく、皮膚病の中でも特にムコール病と呼ばれる病気にかかることが多いです。

ムコール病の原因はカビ

ムコール病の原因はカビです。カビの胞子が口や鼻から吸い込まれたり、皮膚の傷から体内に侵入することにより発症します。ムコール病を引き起こすカビの種類はケカビ、ユミケカビ、クモノスカビ、リゾムコール、アブシディアなどがあります。これらのカビは河川近くの植物や水を含んだ土の中、野菜や果物の中など、広く自然界に存在しています。

症状

すっぽんが皮膚病にかかると甲羅や顔、首、四肢に白い斑点や水泡が現われます。放置すると、それらがだんだんと広がっていきます。やがて皮膚が壊死し、その部分が崩落してしまうことがあります。すっぽんの喉の部分にカビが寄生すると、水中の酸素を取り入れることが困難となり、死に至ることもあります。

皮膚病にかかる原因とは

野生のすっぽんもペットとして飼育されているすっぽんも、そして養殖場のすっぽんも皮膚病にかかる可能性があります。その原因として以下のことが考えられます。

水質の悪化

すっぽんは長時間水中で過ごすため、水質の影響を受けやすいのです。水質が悪化するとカビや細菌類が増殖し、皮膚病にかかりやすくなります。

日光浴不足

すっぽんは日光浴が必要です。日光浴をすることでビタミンDが作られ、骨作りに必要なカルシウムの吸収を促すことができるのです。また日光浴はすっぽんの皮膚の殺菌に効果的です。日光浴不足はすっぽんの皮膚病の大きな原因です。

ストレス

すっぽんは臆病な生き物です。普段は水底の砂や泥の中に潜ったり、岩陰に身を潜めて過ごします。ところがこのような身を潜める場所がないと、すっぽんに大きなストレスがかかります。ストレスはすっぽんの健康を害し、皮膚病にかかりやすくします。

栄養不足

栄養不足はすっぽんの体力を低下させます。体力が低下すると代謝や抵抗力が落ち、皮膚病に感染しやすくなります。

すっぽんの皮膚病対策

すっぽんを皮膚病から守るためには、水中環境を常に良好な状態に保つことが大切です。家庭で飼育している場合は、こまめに水を変える必要があります。できれば毎日、水を変えることが理想です。カルキ抜きを忘れないようにしましょう。

すっぽんの健康に保つためには、水温も大切です。水温は常に25℃以上を保つようにします。すっぽんは水温が15℃以下になると冬眠します。冬眠すると弱り、時には冬眠から目覚めなくなることもあります。

週に数回は日光浴で甲羅を乾燥させます。ただし暑い日に、ケースに入れたまま直射日光にさらすと急激に温度が上昇し、すっぽんが死ぬ危険性もあるため注意が必要です。直射日光に長時間さらすことは絶対に避けましょう。カメの日光浴用のライトも市販されています。日光浴を好まないすっぽんは、このようなライトを使ってでも強制的に日光浴させないと、皮膚病の危険性が高まります。

すっぽんは成長すると甲長が30~40cm位になります。最低でも1m程度の飼育容器が必要です。底にすっぽんが隠れることができる砂を入れ、ストレスがかからない環境を作ることが大切です。

すっぽんは肉食に傾倒した雑食です。特にタニシや赤虫などの生きた餌を好みます。家庭で飼育する場合は、すっぽん専用の餌が市販されていますので、生きた餌とうまく組み合わせて食べさせると良いでしょう。

まとめ

すっぽんはムコール病という皮膚病にかかりやすい生物です。

ムコール病の原因はカビで、感染すると甲羅や顔、首、四肢に白い斑点や水泡が現われます。

すっぽんが皮膚病にかかる原因は、水質の悪化、日光浴不足、ストレス、栄養不足が考えられます。

すっぽんが皮膚病にかからないようにするためには、常に水質を良好な状態に保つ、週に数回日光浴をさせる、身を隠せる砂を用意する、栄養を考えて餌を与えることです。

効果・成分・危険性・相性