すっぽんの旬はいつごろ?味に違いはあるの?

すっぽんを家庭で調理して食べるのは困難なので、ほとんどの人は料亭や専門料理店を利用します。現代は、ほぼすべての食品が年間を通していつでも食べられる時代です。とはいえ、高級食材であるすっぽんを食べに行くとなると、少しでも美味しい時期を知りたいものです。すっぽんに旬はあるのでしょうか?

養殖のすっぽんに旬はない

国内で食用にされるすっぽんは、ほとんどが養殖と考えてよいでしょう。養殖のすっぽんには明確な旬の時期はなく、年間を通して安定した品質と味を楽しむことができます。

すっぽんは古代から人と深く関わってきた生き物です。江戸時代には庶民の食べ物として高い人気がありました。人気に伴い、天然のすっぽんの数が激減したため、やがて養殖が行われるようになり今日に至ります。すっぽんの養殖場は静岡、長崎、佐賀、大分などにあります。

天然のすっぽんの旬は冬眠前

生息数が激減した天然のすっぽんですが、一部の料亭や専門料理店では、今でも天然のすっぽんを食べることができます。

天然のすっぽんは水温が15℃以下になると冬眠に入ります。冬眠の時期は10月頃から4月頃までと長期に及びます。天然のすっぽんは冬眠に入る前に脂肪を蓄えるので、秋から初冬にかけてが旬といえるでしょう。天然のすっぽんを提供するお店に行くのなら、その頃がおすすめの時期です。

一方、養殖のすっぽんは水温を15℃以上に保った環境で飼育されるので、冬眠をしません。このため、天然のすっぽんが食用に適する大きさになるのに約5年かかるのに対し、養殖のすっぽんは3?4年程度と早く成長します。

養殖と天然、それぞれのすっぽんを味わう

養殖のすっぽんは天然のすっぽんに比べ、肉が柔らかく食べやすいといわれています。旬がないので、年間を通し美味しく味わうことができるメリットがあります。すっぽんは体力を消耗する夏の栄養補給に適していますし、あるいは冬の寒い時期に風邪を引かないよう、体の芯からすっぽん鍋で温まるのもいいでしょう。すっぽんはアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類、コラーゲンなどを豊富に含む栄養価の高い優れた食品です。

天然のすっぽんは希少性が高いため、一般に養殖より高額です。養殖のすっぽんに比べると運動量が多く筋肉が発達しているので、柔らかい養殖の肉とは多少食感が異なります。旬の頃に食べると、脂が乗って美味しいといわれます。とはいえ、味そのものは養殖と大差はなく、栄養価も変わりません。

天然のすっぽんは高い確率で寄生虫を持っています。安全性を考えると、天然のすっぽんの生き血や刺身には十分な注意が必要でしょう。

まとめ

食用のすっぽんのほとんどは養殖です。養殖のすっぽんには旬がなく、年間を通して美味しく食べることができます。

天然のすっぽんは10?4月頃まで冬眠します。冬眠前の脂肪を蓄える秋から初冬が旬です。

養殖と天然のすっぽんは食感がやや異なりますが、味そのものに大差はなく、栄養価も変わりません。

天然のすっぽんには寄生虫がいる確率が高く、生き血や刺身には注意する必要があります。

効果・成分・危険性・相性