すっぽんの寿命はどれくらい?
カメは長生きの象徴とされる生物です。カメによく似たすっぽんは、どれくらい生きるのでしょうか。すっぽんは主に食材として取り扱われていますが、ペットとしても飼育されており、その寿命が気になるところです。
すっぽんの寿命は明確にされていない
すっぽんは爬虫網カメ目スッポン科キョクトウスッポン属に分類されるカメの一種です。一般にカメは長生きする生物ですが、すっぽんは30~100年程度生きるのではないかといわれています。年数に大きな幅があるのは個体差によるもので、30年生きたすっぽんもいれば100年生きたとされるすっぽんもいるのです。
通常、養殖のすっぽんは1~3年で食用に出荷されます。野生のすっぽんは約5年で食用にされます。したがって、食用のすっぽんから寿命を知ることはできません。人よりも長生きする可能性のあるカメの寿命を正確に調べることは非常に困難とされており、現時点ではすっぽんを含むカメの平均寿命は明確にされていません。
海外のすっぽんの生存年数
トゲスッポン
アメリカに生息するトゲスッポンは爬虫網カメ目スッポン科アメリカスッポン属に分類され、最大甲長が54cmのすっぽんです。日本の在来種のキョクトウスッポンの甲長が30~40cmなので、トゲスッポンのほうがやや大きめです。
トゲスッポンの寿命も明確にはされていませんが、捕獲されてから25年以上生存している例や、53年間生存しているメスの個体がいることが過去に報告されています。トゲスッポンは日本の在来種であるキョクトウスッポンとは同じスッポン科に分類されているので、ある程度は参考になるでしょう。
シャンハイハナスッポン
世界で最も絶滅に近いすっぽんの種がシャンハイハナスッポンで、爬虫網カメ目スッポン科ハナスッポン属に分類されます。
現在、中国に2匹、ベトナムに1匹だけしか生存が確認されていません。2016年にベトナムで飼育されていた1匹が死にましたが、そのすっぽんが100歳に近かったといいます。シャンハイハナスッポンは別名レッドリバータートルといい、世界で最も大きなすっぽんの種類で、甲長が100~200cm、体重120~200kg、100歳またはそれ以上の寿命があると考えられています。
大型のカメほど長生きする傾向にある
カメは種類により寿命に差があります。一般に大型のカメほど長生きする傾向にあります。これまで、最も長生きした記録が残っているのはマリオンのゾウガメで、捕獲後152年間飼育され、推定180~200歳まで生きたとされています。
脊椎動物の中で最も寿命が長いといわれているのはガラパゴスゾウガメで、推定寿命が100歳以上とされています。
ウミガメも長寿だと考えられています。アオウミガメ、アカウミガメの寿命が推定70~80年、タイマイが推定30~50年程度とされています。
これらのカメは大型で、ゾウガメは甲長100cm以上、アオウミガメは80~139cm、アカウミガメは70~124cm、タイマイが53~114cmといずれもキョクトウスッポンに比べ大型です。こられのことから推測すると、キョクトウスッポンは30年程度は生きると考えられるのではないでしょうか。
まとめ
すっぽんの正確な寿命は明らかになっていません。すっぽんを含むカメは一般に長生きすると考えられていますが、それでも生活環境により異なります。家庭でペットとして飼育する場合、飼育環境にもよりますが、30年くらいは生きると想定して飼うことを決めると良いでしょう。