すっぽんのおすすめの部位と食べられない部位

すっぽんはほとんどの部位が食べられる栄養価の高い食品です。しかし部位により味や食感、栄養の特徴が異なります。また食べられない部位もいくつかあります。
ここではすっぽんのおすすめの部位と食べられない部位について説明します。

すっぽんのおすすめの部位

すっぽんは滋養強壮、精力増強、美肌効果が強いとされる食品です。とにかく栄養補給したい、すべすべの肌を手に入れたい、ただすっぽんの味を楽しみたいなど、すっぽんを食べる目的は人によりさまざまです。そこで目的別におすすめの部位をご紹介します。

コラーゲン補給にエンペラ

すっぽんの部位の中で、特にコラーゲンが多く含まれているのはエンペラです。エンペラといえば、すぐに思いつくのはイカですが、すっぽんにもエンペラが存在します。すっぽんのエンペラは甲羅を縁取る部分で、魚のえんがわにあたる部位と考えて良いでしょう。1匹のすっぽんから取れるエンペラは少量ですが、ゼラチン状でプルプルとした食感が楽しめます。

エンペラからは、熱に強く吸収率が高い、すっぽんの良質なコラーゲンが摂取できます。コラーゲンは美肌作りや若々しさを保つためには欠かすことのできない成分なのです。

栄養補給に内臓

少しでも多く栄養を補給したい人には内臓がおすすめです。すっぽんは栄養価がとても高い食品ですが、なかでも心臓、肝、腸、肺、膵臓、精巣などの内臓にはアミノ酸やビタミン類などが特に多く含まれています。

内臓の中で一番美味しいといわれる膵臓には不飽和脂肪酸のEPAとDHA、リノール酸、ビタミンA、ビタミンEが豊富に含まれているのです。肝には鉄分が多く、心臓や腸はコリコリとした食感で癖がなく、アミノ酸やビタミン類の補給に適しています。精巣はふぐの白子に似て、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルを含みます。

カルシウム補給は軟骨から

すっぽんの軟骨にはカルシウムが多く含まれています。骨や歯の健康維持やイライラ防止におすすめです。お鍋にすると軟骨はホロホロと柔らかく、口当たりが良くて食べやすいです。カルシウム不足を実感している人は、すっぽんの軟骨を食べましょう。

滋養強壮、精力増強に生き血

滋養強壮、精力増強には生き血が良いといわれています。生き血には吸収の良いヘム鉄が含まれています。へム鉄は体内で酸素と結びつき、全身に酸素を運搬する役目があり、細胞のエネルギー産生を手助けします。

食べられない部位は?

すっぽんの食べられない部位は甲羅、爪、膀胱、胆嚢です。甲羅は裏についているコラーゲンが取りにくいので、甲羅ごとお鍋に入れ調理します。そうするとコラーゲンがうまく取れ、美味しい出汁も出るのです。

サプリメントや栄養ドリンク剤の中には、乾燥させた甲羅を粉末にして原料に加えているものがあります。このように、甲羅の食品利用が完全に不可能というわけではありませんが、料理として甲羅そのものを食べることはできません。爪は残念ながら、出汁としても利用することができないので廃棄します。

膀胱は俗称で尿袋と呼ばれています。非常に強い独特の尿の臭いがあり、食用には適していません。

胆嚢の俗称は苦玉です。専門料理店によっては、生で噛まずに丸呑みするようにと、注意つきで提供しているところがあります。しかし一般的には食用とされていません。胆嚢の中には濃い緑色をした苦い液体が入っています。胆嚢は滋養強壮に効果があるとして、中国では漢方の原料に使用されることがあります。

まとめ

すっぽんは爪、膀胱、胆嚢、甲羅を除くと、すべての部位を食べることができる食材です。コラーゲンを多く摂りたい人はエンペラ、栄養補給には内臓、滋養強壮には生き血、そしてカルシウムは軟骨で補給するのがおすすめです。お気に入りの部位を見つけ、美容と健康増進に役立てましょう。

効果・成分・危険性・相性